話題の代替肉
今週、雑誌で二度も代替肉の記事を目にしました。食品業界で話題になっているのかもしれません。そこで代替肉について、いろんな角度から考えてみたいと思います。
現在の代替肉のシェアは食肉マーケットの約5%。代替肉はヘルシー志向の女性に人気が出そうですが、果たしてどうでしょうか?
注目の素材
代替肉って何なの?牛、豚、鶏などの動物の肉を使用せず、植物など別の素材で代替したものですよ。ベジタリアンやビーガンという言葉は聞いた事があると思います。最近、欧米中心に増加しているようですね。
東京オリンピックは延期になりましたが、飲食店には肉への問い合わせや要望がかなりあるとの事。食品メーカーにとって、注目せざるを得ない素材かもしれません。
メリットとデメリット
世界の人口は2019年に約77億人でした。2050年には97億人になるとの見込み。現在でも食糧事情は十分でない上に天候不順などにより食糧不足が懸念されています。従来の肉と代替肉のメリットとデメリットを下の表に記してみました。
種類 | メリット | デメリット |
牛肉、豚肉、鶏肉等 | 蛋白源の大量供給 価格が安い |
牧場の為に森林伐採水の大量消費※ 穀物の大量消費※ メタンガスの大量排出 |
代替肉 | 選択肢が増える 地球にやさしい(水穀物) 心疾患、糖尿病、ガンのリスク低減 |
本来の味や風味? 価格が高い 安全性の確立? 現食肉従業員の失職 |
※1kg当たり生産時の水消費量:牛15.9t、豚5.9t、鶏2.8t、大豆2.3t(UNESCOより)
※1kg当たり生産時の穀物消費量:牛11kg、豚7kg、鶏4kg
(農水省資料より)
製造メーカーと主成分
●現在、代替肉を製造している主なメーカーと主成分は
・ビヨンドミート(USA):えんどう豆
・インポッシブルフーズ(USA):大豆
・ベジタリアンブッチャー(オランダ):大豆タンパク
・オムニポーク(香港):えんどう豆、大豆(非遺伝子組換え)
・ベジファーム(台湾):大豆(非遺伝子組換え)
・大塚食品:大豆、粉末卵白使用
・日本ハム:大豆、乳タンパク・卵白末使用
主成分は大豆だけでなく、えんどう豆も使用されています。
デメリットの改善
日本のメ-カーは動物素材も使用していますね。また、不二製油は昨年9月、大丸心斎橋店の惣菜店に豆乳素材を提供しています。この他にも代替肉に参入しているメーカーはありますよ。
上記メーカーの中には、ヘム(血色素から得る赤い色素)を使用し味・風味の改善を図っているメーカー、安全性の点でFDA認証を受けているメーカーもありました。
まとめ
日本人のタンパク摂取量は、成人で81gが国の推奨ですが、1951年と摂取量はそれほど変わっていないようです。
日本では、元々豆腐や納豆などの食品に馴染みがあり、代替肉のシェアは今後増加していく可能性を秘めていると思います。最初のターゲットはヘルシー志向の女性かもしれませんが、カロリーを気にされている方の食材になる事もありそうです。
2020.6.19